コンバージョン値 (CV) は、SKAdNetwork ポストバックを使用したキャンペーンの主要なパフォーマンス指標です。
SKAdNetwork のコンバージョン値は 6 ビットのバイナリ値で、それぞれが、広告主または配信面によって定義されたインストール後のイベントまたはアクションを表します。使用可能な設定は 64 あり、0 から 63 までの整数で測定されます。0 はインストールとされています。
ユーザーが広告をクリックしてアプリをインストールすると、24 時間のポストバックタイマーが開始されます。インストールは、最初のコンバージョン値アクションを表します。ユーザーがより高いコンバージョン値のアプリ内アクションを完了するたびに、タイマーは 24 時間にリセットされます。タイマーが切れると、インストールとユーザーの最終コンバージョン値を含んだポストバックが Apple から Unity の広告ネットワークに送信されます。
ほとんどの MMP は、ゲーム内イベントや収益をコンバージョン値にマップするためのテンプレートやツールを用意しています。Unity では、特定のコンバージョンモデルに従う必要はありません。最適なモデルは広告主ごとに異なる可能性があります。ただし、Unity では以下のベストプラクティスを推奨しています。
コンバージョン値が段階的に大きくなるようにする
いくつかの主要指標に従って、値の昇順でイベントを割り当ててください。たとえば、プレイヤー価値をトラッキングする場合を考えてみましょう。通常は、アプリ内課金をしたユーザーの方が、リワード広告の閲覧をしたユーザーよりも平均価値が高くなります。
コンバージョン値を更新できるのは、インストール後 48 時間までにする
コンバージョン期間をリセットできる回数に制限はありませんが、測定期間はごく短期間にする必要があります。最終更新はインストールから 48 時間以内としてください。この時点までに、通常はリテンションカーブが平坦になり、課金するユーザーの 50% - 70% が初回の課金を済ませています。そのため、広告ネットワークやキャンペーンのパフォーマンスを評価し、価値の最も大きなソースを特定することが目的であれば、このくらいの時間設定で十分です。
単純化する
詳細な測定であるほど優れているというわけでは必ずしもありません。SKAdNetwork フレームワークでは、個人を識別する代わりにソースアプリケーション ID とコンバージョン値が提供されるので、インストール数がきわめて多い場合を除き、ユーザーが実行する可能性の低いイベントを追跡することは困難です。コンバージョン値を比較的一般的なイベントにマップして、ユーザーベースを上位 10% - 20%、次点の 20% - 40% などのおおよそのグループに分割することをお勧めします。
実験
業界はまだ過渡期で、学習フェーズにありますが、Unity では、以下の手順に従って単純なものから開始し、実験的で反復的なアプローチを取ることが最善の方法だと考えています。
- まずは、従来型の詳細な指標を使って、レポートでのコンバージョン値の使用を開始しましょう。
- ユーザーが追跡を許可していれば、コンバージョン値ベースのレポートにとって信頼性の高いベンチマークとなります。
- 実験を通じてコンバージョン値の最適な設定方法を探りながら、ユーザー価値と投資収益率に基づいて、ユーザー獲得予算を最適化していきましょう。
その後、それらの初期学習を基に、広告ネットワークがコンバージョン値を使用して、ソースアプリの品質を最適化アルゴリズムへとエンコードしていきます。
基本的な推奨事項
コンバージョン値の設定をどこから始めたらよいかわからない場合は、以下に示す基本設定を使用して、コンバージョン値を基にインストールから 48 時間以内のセッション数を追跡することをお勧めします。
イベント | コンバージョン値 | セッション番号 | インストール数に占める割合 |
---|---|---|---|
インストール | 0 | 1 | 33% |
2 回目のセッション | 1 | 2 | 23% |
3 回目のセッション | 1 | 3 | 13% |
4 回目と 5 回目のセッション | 3 | 4 と 5 | 15% |
6 回目以降のセッション | 4 | 6 | 16% |